Article
神経科学:視床下部POMCニューロンがカンナビノイド誘導性摂食を促進する
Nature 519, 7541 doi: 10.1038/nature14260
視床下部のプロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンは満腹を促進する。カンナビノイド受容体1(CB1R)は摂食の中枢性調節に極めて重要である。今回我々は、満腹マウスでCB1R制御性摂食がPOMCニューロン活性の低下と並行して起こるかどうかを検討する。CB1R活性の化学的促進は摂食を増加させ、また、注目すべきことにCB1R活性化はPOMC細胞のニューロン活性も促進する。このPOMC活性の矛盾した増加はCB1R誘導性摂食に極めて重要であった。なぜなら、POMCニューロンのDREADD(designer-receptors-exclusively-activated-by-designer-drugs)介在性抑制はCB1R駆動性摂食を減弱させるが、その一方で、POMCニューロンのDREADD介在性活性化はCB1R駆動性摂食を促進させるからである。Pomc遺伝子は食欲不振誘発性ペプチドであるα-メラノサイト刺激ホルモンおよびオピオイドペプチドであるβ-エンドルフィンの両者をコードする。CB1R活性化は、視床下部でβ-エンドルフィンの放出を選択的に増加させるが、α-メラノサイト刺激ホルモンの放出は増加せず、オピオイド受容体アンタゴニストのナルキソンの全身的あるいは視床下部への投与は急性のCB1R誘導性摂食を遮断する。これらの過程にはミトコンドリアの適応が関係しており、ミトコンドリア適応が遮断されるとCB1R誘導性細胞応答と摂食が消失する。総合すると、以上の結果から、カンナビノイドによる摂食促進におけるPOMCニューロンの予想外の役割が明らかになった。

