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分子生物学:構造化された真核生物のIRES RNAによる細菌での翻訳開始

Nature 519, 7541 doi: 10.1038/nature14219

遺伝子発現のセントラルドクマ(DNA→RNA→タンパク質)は普遍的であるが、この経路内の基本的な機構は生物のドメインによって違いがある。例えば、タンパク質合成開始に使われる標準的分子シグナルは細菌と真核生物でそれぞれ独特である。しかし、合成開始後に起こる翻訳段階に関与するリボソームのコア構造やコンホメーションの動態は古く、生物のドメイン全体にわたり保存されている。我々は、未知のRNAを基盤とするシグナルが、生物の各ドメインに特異的な機構を回避することにより、これらの保存された特徴を用いて、細菌と真核生物の両方でタンパク質合成を開始できるかどうかを調べることにした。構造化されたIRES(internal ribosome entry site) RNAは真核細胞でリボソームを操作して翻訳を開始できるが、これに類似したRNA構造を基盤とする機構は細菌では観察されていない。本論文では、ウイルス由来の真核生物のIRESが生きた細菌で翻訳を開始できるという発見について報告する。このIRESが細菌リボソームに結合した結晶構造を3.8 Åの分解能で解いたところ、細菌と真核生物のリボソームには差異があるにもかかわらず、このIRESは両方のリボソームに直接結合し、通常は転移RNAが使用する空間を占有することが分かった。細菌でも真核生物でも、翻訳開始はこのIRES RNAの構造に依存するが、細菌ではこのIRES RNAは、最初にリボソームを動員した後にそのリボソームを再配置する方法など、異なる機構を使用する。このIRES RNAは、数十億年にわたる進化的分岐の橋渡しとなる、生物の2つのドメインの両方で機能できるRNA構造を基盤とする翻訳開始シグナルの例である。

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