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がん:アキシチニブは固有の結合コンホメーションによりBCR–ABL1(T315I)を効果的に抑制する

Nature 519, 7541 doi: 10.1038/nature14119

BCR–ABL1融合遺伝子は、慢性骨髄性白血病のドライバーがん遺伝子であり、成人の急性リンパ芽球性白血病の症例の30~50%で見られる。ABL1キナーゼ阻害剤(例えばイマチニブ)を用いると、患者の生存率は顕著に改善されるが、薬剤耐性の獲得という難問は依然として解決されていない。ABL1のキナーゼドメインの点変異は阻害剤の結合を弱め、これは臨床で最も頻繁に見られる耐性機構である。BCR–ABL1キナーゼドメインのゲートキーパー変異Thr315Ile(T315I)は、用量制限毒性があるポナチニブを除き、承認されている全てのABL1阻害剤に耐性を示す。本研究では、患者細胞を使ってex vivoで行った薬剤感受性と薬剤耐性の包括的プロファイリングと構造解析とを組み合わせて、VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるアキシチニブが、T315I変異を持つBCR–ABL1による白血病に対する選択的で効果的な阻害剤であることを明らかにした。アキシチニブは、変異型選択的な様式で活性型ABL1(T315I)に結合することにより、生化学レベルと細胞レベルの両方でBCR–ABL1(T315I)を強力に阻害した。これらの結果は、T315I変異がキナーゼのコンホメーションに関する平衡状態を、アキシチニブとの結合により適した活性型(DFG-in)Aループコンホメーションが多くなる方向に移行させることを示唆している。T315I型慢性骨髄性白血病患者に対するアキシチニブ投与は、T315I陽性細胞を骨髄から速やかに減少させた。まとめると今回の知見は、腎臓がんに対して使用が認可されている抗血管新生薬のアキシチニブを、薬剤耐性白血病患者のABL1ゲートキーパー変異に対する阻害剤として転用するという予想外の展開を明らかにしている。本研究は、野生型タンパク質のコンホメーションは、疾患関連変異タンパク質のコンホメーションの実例として必ずしも使えるわけではないことを示しており、また患者由来の細胞を用いた包括的な薬剤試験によって、臨床的に重要な予想外のドラッグリポジショニングが見つかることを例証している。

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