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分子生物学:N6-メチルアデノシンに依存するRNA構造スイッチが、RNAとタンパク質の相互作用を調節している

Nature 518, 7540 doi: 10.1038/nature14234

RNA結合タンパク質は、一本鎖RNA中の結合モチーフ(RBM)への結合を介して、細胞生物学的なさまざまな性質を制御している。しかし、RBMは局所的なRNA構造の中に埋もれていて、そのためにRNA–タンパク質の相互作用が妨げられることがある。N6-メチルアデノシン(m6A)は真核生物のメッセンジャーRNA(mRNA)内で最も豊富に存在し、また変動することの多い修飾である。YTHDF2タンパク質はこれを選択的に認識して、細胞質のmRNAの安定性を変化させることができるが、m6Aが幅広い生理的役割を果たす仕組みは、さらに詳しく解明する必要がある。本論文では、ヒト細胞ではRBMへの接近しやすさはRNA構造に左右されていて、m6Aがこの接近性を制御して生物学的調節のためにRNAとタンパク質の相互作用を変化させることを明らかにする。我々は、この仕組みを「m6Aスイッチ」と命名した。m6Aは、mRNAと長鎖非コードRNA(lncRNA)の局所構造を変化させ、mRNA前駆体のプロセシングの役割を担うRNA結合タンパク質で、核内に豊富に存在するヘテロ核リボヌクレオタンパク質C(HNRNPC)の結合を促進する。PAR-CLIP(photoactivatable-ribonucleoside-enhanced crosslinking and immunoprecipitation)法とMeRIP(anti-m6A immunoprecipitation)法とを組み合わせることにより、HNRNPC結合部位中にある3万9060個のm6Aスイッチが見つかった。また、全体的なm6Aの減少によって、高信頼性m6Aスイッチ2798か所でHNRNPCの結合が減少することも分かった。m6Aスイッチが調節するこのHNRNPC結合活性が、標的mRNAの量に加えて選択的スプライシングにも影響することも明らかになり、m6Aスイッチが遺伝子発現とRNA成熟を調節する役割を果たしていることが実証された。これらの結果は、m6Aスイッチに依存したRNA構造のリモデリングによって、RNA結合タンパク質のRBMへの接近性が調節可能となる仕組みを明らかにしており、RNA修飾という形でコードされている細胞生物学的性質を調べる新たな道筋を示している。

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