材料科学:調節可能な界面張力を用いた動的に再構成可能な複合エマルション
Nature 518, 7540 doi: 10.1038/nature14168
乳化は、連続液相内において非相溶性成分を混合・分散させるためのよく知られた強力な手法である。その結果、エマルションは医薬、食品、機能材料の中心的要素となっている。ヤヌス液滴(化学的性質が異なる複数の表面を持つ液滴)や多相エマルションなどの複合エマルションは、薬剤や医療診断、食品用の微粒子やカプセルの製造、化学的分離、化粧品、動的光学素子などの領域において、重要性がますます高まっている。複合エマルションの特性と機能は液滴の形状や組成と関係しているため、液滴の物理的性質や化学的性質を精密に制御できる簡便な高速作製法の開発が非常に重要である。高せん断ミキサーや膜を用いた、大規模であるが精密さに欠け不均一組成が生じる作製法から、少量ながら精密なマイクロ流体方式の作製法まで、さまざまな手順を用いて複合エマルションの作製が著しく進歩した。しかし、そうした手法では、乳化後に形状を制御して変更できる液滴がまだ得られていない。再構成可能な複合液体は、動的に調節可能な材料として大きな有用性を示す可能性がある。今回我々は、高度に制御可能で再構成可能な形状を持つ3相および4相からなる複合エマルションを1段階で作製する手法について報告する。作製には炭化水素液とシリコーン液とフッ化炭素液の温度に敏感な混和性を利用しており、マイクロ流体方式とスケーラブルなバッチ方式両方の複合液滴作製に今回の手法を適用している。我々は、刺激応答性界面活性剤や開裂性界面活性剤などの炭化水素系とフッ素系の界面活性剤を用いて界面張力を変化させることによって、液滴形状をカプセル型構造にしたりヤヌス型構造にしたり交互に変換できることを実証した。これによって、制御して再構成できる形状を持つ多相エマルションを作製する一般化可能な方法が得られるとともに、さまざまな応答性材料を創成する可能性が得られる。

