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エピゲノム:幹細胞分化の最中に起こるクロマチン構造の再編成
Nature 518, 7539 doi: 10.1038/nature14222
クロマチンの高次構造が、遺伝子発現の重要な調節因子の1つであることが分かってきている。ゲノム内に動的なクロマチン構造が見いだされてはいるものの、哺乳類の発生期や細胞系譜の指定の際に起こるクロマチン動態の全容はまだ明らかになっていない。今回我々は、ヒトの胚性幹(ES)細胞と、ヒトES細胞由来の4種類の細胞系譜について全ゲノムのクロマチン相互作用をマッピングすることで、細胞系譜指定の最中に起こる広範囲のクロマチン再編成を明らかにした。分化の最中には、自己会合性のクロマチンドメインは安定しているが、ドメイン内およびドメイン間のクロマチン相互作用は著しく変化し、ゲノム全体の活性な染色体区画と不活性な染色体区画の36%が変化することが明らかになった。クロマチン相互作用マップと、ハプロタイプ判定済み(haplotype-resolved)のエピゲノムおよびトランスクリプトームのデータセットを統合することで、遺伝子発現には対立遺伝子に対応した広範囲の偏りが見られ、それと相関するように、関連するプロモーターや遠位エンハンサーにも対立遺伝子に対応した偏りのあるクロマチン状態が見られることが分かった。今回の結果から、異なるヒト細胞系譜におけるクロマチン動態の全体像や、遺伝子発現の長距離制御を研究するための情報資源が得られる。

