Letter

エピゲノム:起源細胞のクロマチン構成ががんの変異の特性を形作る

Nature 518, 7539 doi: 10.1038/nature14221

がんは体細胞の変異によって増強される疾患である。がんの体細胞変異はヒトゲノムで均一に分布しているわけではなく、その局所密度はヒトゲノムの異なる領域間で最大5倍の差があり、これががんゲノミクスで用いられる統計的手法の重要な問題となっている。エピゲノムの構成はこれまでがん変異の特性の主要な決定要因だと考えられてきた。しかし、体細胞変異誘発もエピゲノムの特徴も非常に細胞種特異的である。我々は、さまざまながん種の多数の独立した試料で変異の分布を調べ、それらを細胞種特異的なエピゲノムの特徴と比較した。本論文では、クロマチンへの接近しやすさとその修飾、そして複製タイミングによって、がんゲノム全域にわたる変異率の変動の最大86%を説明できることを示す。局所での体細胞変異密度の最良の予測因子は、相当する悪性腫瘍の起源の可能性が最も高い細胞種に由来するエピゲノムの特徴である。さらに、起源細胞のクロマチンの特徴は、対応するがん細胞株のクロマチンの特徴よりも、がんの変異プロファイルのより強力な決定要因であることが分かった。加えて、がんゲノムにおける変異の分布に基づき、がんの起源細胞種を正確に決定できることも明らかになった。従って、がんゲノムのDNA塩基配列はその起源細胞の正体およびエピゲノムの特徴についての豊富な情報を含んでいる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度