Letter

化学:フェムト秒X線散乱法による溶液中における結合形成の直接観察

Nature 518, 7539 doi: 10.1038/nature14163

原子結合の形成と切断は、化学反応に不可欠な過程である。結合切断の超高速ダイナミクスは時間分解法を用いて盛んに研究されてきた。しかし、結合形成の構造ダイナミクスの研究は、2分子が関与するというのが主な理由で、非常に難しい。とりわけ、拡散に律速される溶液中での結合形成を非常に高い時間分解能で開始させて追跡することは困難である。今回我々は、フェムト秒時間分解X線溶液散乱法を用いて、遅い拡散からくる制限なしに実時間で三量体金錯体[Au(CN)2]3の形成を可視化した。この金三量体は、基底状態では金原子同士が弱く結合しているが、光励起すると一連の構造変化を起こす。我々の実験では、共有結合形成、屈曲型から直線型への遷移、結合の収縮、四量体形成といった個々の反応段階のダイナミクスを、約500フェムト秒の時間分解能で調べている。また、反応中間体の三次元構造もサブオングストロームの空間分解能で決定した。本研究は、X線自由電子レーザーおよび時間分解溶液散乱データの先進的解析を用いて、溶液中での化学反応時に起こる構造変化を実時間で詳細に追跡できることを実証するものである。

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