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構造生物学:パワーストロークを起こせる状態にあるヒト細胞質ダイニン2の構造

Nature 518, 7539 doi: 10.1038/nature14023

細胞質ダイニンと軸糸ダイニンというアイソフォームから構成されるダイニンファミリーは、微小管のマイナス端に向かって移動するモーターである。細胞質ダイニン1(ダイニン1)は有糸分裂や細胞内積み荷輸送を担っており、ウイルス感染や神経変性疾患に関係することが示されている。細胞質ダイニン2(ダイニン2)は鞭毛内輸送を行い、ヒトの骨格異常を生じる繊毛病と関連付けられている。ダイニンは保存されたモータードメインを共有していて、このドメインはATP加水分解サイクルとコンホメーション変化を共役させてタンパク質の動きを生じさせる。今回我々は、ATP加水分解の遷移状態類似体であるADPバナジン酸と結合したヒト細胞質ダイニン2モーターの結晶構造を示す。この構造から、6つのAAA+ドメイン(ATPases associated with various cellular activities:AAA1–AAA6)のモーターリングが閉じていることが明らかになった。これにより、動きが生じるための重要な要素であるリンカーが立体的に衝突によりつぶれて、力発生に備えるコンホメーションへの変化が進行する。リングが閉じることで、モータードメインのストークと控え壁のように働くコイルドコイル伸長部との界面に変化が生じる。これによってストーク中のヘリックスのすべり運動が引き起こされ、ストーク先端部の微小管結合ドメインの微小管からの解離が引き起こされる。我々の得た構造は、ATP加水分解がリンカーのリモデリングや微小管との親和性の調節につながる仕組みという重要な問題への答えとなる。

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