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がん:乳がん患者の異種移植片におけるゲノムクローンの1細胞レベル分解能で見た動態

Nature 518, 7539 doi: 10.1038/nature13952

乳がんなどのヒトのがんには変異含有量の異なる複数のクローンが含まれている。クローンは、ダーウィンの進化の原理に従って空間的・時間的に動的に進化し、薬剤抵抗性や転移のような新たに出現する重要な特徴の基盤となる。ヒト乳がんの異種移植は、腫瘍の生物学的性質を捉えて研究する手段として用いられており、乳腺腫瘍の異種移植片は一般に原発腫瘍の妥当なモデルであると考えられている。しかしこれまで、腫瘍ゲノムクローン構造に関する、移植と継代の影響と再現性については、1細胞レベルで系統的に調べられたことがなかった。今回我々は、ディープシークエンシングと単一細胞塩基配列解読法を用いて、ヒトの原発性乳がんと転移乳がんについて、免疫不全マウスへの移植後の当初の生着とその後の連続継代の際のクローンの動的変化を明らかにした。調べた15例全てについて、原発性および転移性の乳腺腫瘍の両方で生着に関するクローン選択が観察され、選択の程度は少数(最初の集団の5%未満)のクローンの極度に選択性の高い生着から、選択性の弱い多クローン生着までさまざまだった。また、連続継代中に継続するクローンの動的変化は、最初に弱い選択を受けた腫瘍の特徴である。腫瘍集団の塩基配列解読から推定される主要な変異クラスターは、複雑なクローン構成を持ち急激に進化する腫瘍の場合であっても、予想どおり最も多いクローン遺伝子型と関連することが、単一細胞塩基配列解読によって分かった。さらに、同じ腫瘍集団から生じた別々の移植片で、類似のクローン増殖パターンが出現し得ることが明らかになり、これはゲノム異常が進化の軌跡の再現可能な決定要因となり得ることを示している。これらの結果は、ゲノムレベルで明らかにされたクローン集団動態の測定からは、患者由来の乳がん異種移植を用いる機能研究に非常に役立つ情報が得られることを示している。

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