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分子生物学:改変したCRISPR-Cas9複合体によるゲノム規模の転写活性化

Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature14136

遺伝子機能を系統立てて調べるためには、遺伝子の発現を、一般化できる形で確実に変化させる方法が必要である。本論文では、内在性のゲノム領域の転写を効率よく活性化できるよう、構造に基づいて行ったCRISPR-Cas9複合体の改変を示す。我々はこの改変したCas9活性化複合体を用いて、効率良く転写活性化するための単鎖ガイドRNA(sgRNA)ターゲッティングの法則を調べ、10個の遺伝子を同時に活性化できることを実証し、lincRNA(長鎖遺伝子間非コードRNA)転写産物の発現を亢進させた。また、ヒトRefSeqがコードする全アイソフォームを標的とする7万290個のガイドRNAからなるライブラリーを合成し、活性化されるとBRAF阻害剤耐性をもたらす遺伝子をスクリーニングした。得られた最有力候補群には、耐性をもたらすことがすでに明らかになっている遺伝子が含まれ、また新しい候補については、個々のsgRNAと相補的DNAの過剰発現を用いて確認した。細胞株と患者由来の試料の両方で、この最有力候補群の遺伝子発現特性とBRAF阻害剤耐性のマーカーとの関連性が見られた。総合するとこれらの結果は、Cas9を利用した活性化因子が、強力な遺伝子発現操作技術として使える可能性を実証している。

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