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化学:後期段階の官能基化に適した第3級C–H結合の金属触媒アジド化

Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature14127

多くの酵素は、活性化されていない脂肪族C–H結合を選択的に酸化してアルコールを作る。しかし、生体システムは、これに似たC–H結合アミノ化を触媒する酵素を持たない。窒素含有基は治療薬や臨床的に有用な天然物の生物活性に不可欠だが、そうした酵素が存在しないために、医薬品となり得る候補化合物の発見が制限されている。窒素系官能基導入の重要性を示す顕著な例の1つは、エリスロマイシンのケトンのN(Me)CH2基への変換で、その結果得られるアジスロマイシンは、1日1回の投与が可能となり、治療時間を短縮できた。そうした理由から、合成化学の分野では、C–H結合をC–N結合に直接変換する触媒が探索されている。現在使用されているC–H結合アミノ化触媒の大半は、過剰な基質や配向基、苛酷な反応条件、弱いもしくは酸性のC–H結合、窒素原子上に特殊な基を持つ試薬を必要とするので、複雑分子の分子間官能基化に適していない。C–H結合アミノ化反応の中では、第3級アルキル基にC–N結合を形成する反応が特に有益だと考えられる。なぜなら、この結合は、生合成経路において酸化によって生成できる可能性があるケトンやアルコールから作るのが困難だからである。今回我々は、貴重な基質が過剰になくても起こる温和で選択的な第3級C–H結合の鉄触媒アジド化反応について報告する。この反応は、水性環境に耐え、多段階合成の後期段階における複雑分子の官能基化に適している。さらに、このアジド化によって、ヒュスゲン「クリック」環化付加やシュタウディンガーライゲーションで得られる官能基などさまざまな窒素系官能基の導入が可能になる。我々は、こうした反応によって、天然物やその前駆体や誘導体を修飾して、窒素含有基に起因して異なる極性や電荷を持つ類似体を合成する機会が生まれると期待している。さらに、これを用いて、蛍光タグやアフィニティークロマトグラフィー用の「ハンドル」などとの接着点を複雑な分子構造体に直接形成することによって、生物活性分子の標的の特定にも役立つ可能性がある。

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