Letter
材料科学:「ハリネズミ」型粒子の異常分散
Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature14092
水中の疎水性粒子や油中の親水性粒子は凝集する。しかし、それらの粒子も、溶媒親和性を与えたり粒子間反発を増大させたりする界面活性剤、有機テザー、吸着ポリマーなどの粒子で表面を化学的にカムフラージュすると、コロイド分散体を形成し得る。また、固体と液体の相互作用を変化させる別の手法として、独特なぬれ挙動をもたらす表面しわの利用がある。今回我々は、この形状効果を利用すれば、粒子表面をカムフラージュする化学物質に頼らなくてもさまざまな溶媒に粒子を分散できることを示す。我々は、ナノスケールの堅い針状突起(スパイク)で覆われた、親水性媒体中でも疎水性媒体中でも長期コロイド安定性を示すマイクロメートルサイズの粒子を作製し、こうした「ハリネズミ」型粒子は、そのスパイクによって互いに貫入し合わないため粒子間の接触面積が著しく減少し、粒子間引力が小さくなることを見いだした。また、水性分散液中での空気の捕捉、高度に発達した界面での溶媒の自動イオン化、有機媒体中での長距離静電反発も、我々の粒子のコロイド安定性に寄与している。我々のハリネズミ型粒子の異常分散挙動は、「似たもの同士は溶け合う」という考えを覆し、粒子間相互作用やナノスケールコロイド化学に関する我々の理解を深めるものであり、界面活性剤や揮発性有機溶媒の使用による環境への悪影響を軽減するのに役立つ可能性がある。

