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量子物理学:捕獲したイオンを使ってローレンツ対称性を検証する、電子に対するマイケルソン–モーリー実験に類似した実験

Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature14091

これまで得られた全ての証拠から、実験の絶対的な空間方位は、その結果に全く影響しないと示唆されている。これは、全ての素粒子と場のローレンツ変換の下での不変性を要求することによって、素粒子物理学の標準模型に反映されている。この物理学の重要な基礎に関して最もよく知られた検証は、光速度の等方性を確かめたマイケルソン–モーリー型の実験である。物質に対しては、ヒューズ–ドリヴァー型の実験により、粒子の運動エネルギーがそれらの速度方向に依存しないかどうか、すなわちそれらの分散関係が等方的であるかどうかが検証されている。標準模型を越える物理学により多くの指針を与えるため、ローレンツ対称性の精密な実験検証が望まれる。本論文では、電子に対するローレンツ対称性の破れを、マイケルソン–モーリー実験に類似した実験を電子で行って調べている。我々は、カルシウムイオン内部の束縛された電子波束を、異なる方位の2つの部分に分割し、95ミリ秒の時間発展の後、再結合させた。地球は自転しているので、波束の2つの部分の絶対空間方位は変化し、電子分散が異方的であれば、その干渉信号の位相が変化すると思われる。雑音を除去するため、2つのデコヒーレンスフリーな状態が重ね合わさった一対のカルシウムイオンを作り、それによって両方のイオンに共通の磁場ゆらぎを取り除いた。23時間の測定後、そのエネルギー変動の限界がh × 11ミリヘルツ(hはプランク定数)であることが見いだされ、以前の研究より100倍改善された1018分の1のレベルで、電子の分散関係が等方的であることが確かめられた。また、今回の結果はクーロンポテンシャルの回転不変性を検証したとも解釈できる。ローレンツ対称性が電子に対して成立し、光子の分散関係がクーロン力を支配すると仮定して、光速度の異方性に対して5倍改善された限界が得られた。今回の結果は、電弱スケールとプランクエネルギースケールとの比に匹敵するレベルでローレンツ対称性の破れを探っている。今回の実験によって、標準模型を越える物理学の探求における量子情報技術の可能性が実証された。

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