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生化学:酸化ヌクレオチドで見られるポリメラーゼ誘導性の細胞傷害性の解明

Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature13886

酸化ストレスは、ゲノム不安定性やヒトの疾病の発生を促進する。よく見られる酸化ヌクレオチドである8-オキソ-7,8-ジヒドロ-2′-デオキシグアノシンは、DNA(8-オキソグアニン)中に見られ、また遊離のヌクレオチド(8-オキソdGTP)としても見いだされる。ヌクレオチドプールは特に酸化損傷を受けやすい。そのため、細胞は遊離の酸化ヌクレオチドを取り除く酵素であるMutT/MTH1をコードしている。この清掃機能は、DNAポリメラーゼ(pol)依存性であって、がん細胞の生存や大腸菌(Escherichia coli)の抗生物質感受性の調節に必要である。ポリメラーゼ類が被損傷ヌクレオチドと損傷を受けていないヌクレオチドを区別する仕組みはよく分かっていない。変異誘発やがん治療、抗菌性抗生物質における酸化ヌクレオチドの役割を考えれば、この問題の解析は不可欠である。細胞清掃活性があるにもかかわらず、ヌクレオチドプールには変異誘発を促進するのに十分な量の8-オキソdGTPが含まれている。これは、8-オキソdGTP(anti)とシトシンとの塩基対と、8-オキソdGTP(syn)がそのフーグスティーン端を使って作るアデニンとの塩基対という2通りがコードできることから起こる。今回我々は、時分割結晶学の方法を用いて、ヒトpol βでのアデニンまたはシトシンと向かい合った位置への8-オキソdGTP挿入を追跡し、挿入はsynantiのどちらの構造もとれることを明らかにした。8-オキソdGTP(anti)挿入では、新規な二価金属が、内転したグアニン塩基と酸化ヌクレオチドの三リン酸塩間の反発的相互作用を軽減している。どちらの鋳型塩基についても、塩基間の水素結合相互作用が、触媒反応後に酵素が再び開いた構造となるために失われ、これが細胞傷害性のニックが入ったDNA修復中間体形成へとつながる。構造のスナップショットと速度論的解析、コンピューター解析を併用して、DNA修復中間体での反応停止へとつながりかねない挿入の際に8-オキソdGTPが電荷調節を用いる仕組みが明らかになった。

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