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生化学:tRNA依存性ランチビオティックデヒドラターゼNisBの構造と作用機序

Nature 517, 7535 doi: 10.1038/nature13888

ランチビオティック(lantibiotic)は、チオエーテル結合を1つ以上持つペプチド抗生物質の一群である。ランチビオティックの1つであるナイシンは、食品による病原体伝播を防ぐための食品保存料として広く使われている抗菌ペプチドである。ナイシンにはデヒドロアラニンとデヒドロブチリン残基が含まれ、これらはランチビオティックデヒドラターゼNisBによるSer/Thrの脱水によって形成される。最近の生化学的研究によって、NisBがこの脱水過程中にSer/Thrの側鎖をグルタミン酸化することが分かった。しかし、NisBがグルタミン酸を使って脱水反応を触媒する機構は、まだ解明されていない。本論文では、この過程にグルタミルtRNAGluが関わっていて、Ser/Thrを活性化することを示す。さらに、基質ペプチドであるNisAと複合体を形成したNisBの分解能2.9 Åでの結晶構造から、Ser/Thrのグルタミン酸化を触媒するドメインとグルタミン酸の除去を触媒するドメインの2つが存在することが分かった。また共結晶構造からは、ランチビオティックデヒドラターゼによる基質の認識についての手掛かりも得られた。これらの知見は、ランチビオティックに含まれるデヒドロアミノ酸の形成にアミノアシルtRNAが意外な役割を果たしていることを示しており、他の種類の天然物生合成に関わる、ランチビオティックデヒドラターゼに似た多数のデヒドラターゼの機能解明の基盤となる。

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