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原子物理学:原子の長さスケールでの電子伝搬と誘電遮蔽の直接観察

Nature 517, 7534 doi: 10.1038/nature14094

結晶における電子の伝搬と輸送は、大部分の電子デバイスの機能に関連する基本的な過程である。微視的な理論は、ブロッホ波束の運動に基づくものとしてこの現象を記述する。こうした波束は、運動量空間における中心波数ベクトル近くの電子バンド構造の分散で群速度が決まる個々のブロッホ状態の重ね合わせである。この概念は、ブロッホ振動、つまり実空間と運動量空間における電子の周期的振動の観察によって、人工超格子において実験的に確かめられている。本論文では、ブロッホ振動の振幅と周期より短い長さスケールと時間スケールで、実空間・実時間実験において電子波束の運動を直接観察した結果を提示する。今回、アト秒計測法(1アト秒 = 10−18秒)によって、巨視的な伝搬長さスケールにわたって必然的に起こる散乱の効果に妨げられることなく、弱く乱された電子波束伝搬の定量的な知見が、原子の長さスケールで得られることが示された。サブフェムト秒(10−15秒以下)の極端紫外光パルスを使って、数オングストロームの、厚みがよく定まったさまざまなマグネシウム膜で被覆したタングステン結晶内部に光電子波束を発射した。アト秒精度で表面に波束が到達した瞬間を検出して、マグネシウム吸着層内部における自由電子のようなバリスティックな伝搬挙動を明らかにした。この挙動はブロッホ波束運動の半古典極限を構成するものである。原子層と界面を通る電子輸送に実時間で利用できれば、電子回路とフォトニック回路の原子寸法へのスケーリングが可能となる現象のこれまでにない知見が得られる可能性がある。さらに、この実験によって、固体界面での光周波数における電場の侵入深さを原子スケールで決定できる。

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