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有機化学:銅触媒による動的速度論的不斉アリル位アルキル化反応における非安定化求核剤

Nature 517, 7534 doi: 10.1038/nature14089

不斉炭素–炭素結合を形成する新反応が開発されたことで、医薬品、香料、高分子など、さまざまな重要な炭素含有分子を合成できるようになった。エナンチオリッチな分子を得る戦略の大半は、プロキラル基質からの新しい立体中心の生成か、エナンチオマーのラセミ混合物の分割に頼っている。別の戦略として、ラセミ出発物質を単一エナンチオマー生成物に変換する動的速度論的不斉変換があり、50%を超える最高収率が得られている。パラジウム触媒不斉アリル位アルキル化反応に安定化求核剤(pKa < 25;Kaは酸解離定数)を使用する方法は、こうした過程において極めて汎用性が高いことが分かっている。逆に、そうした反応に非安定化求核剤を使用することは難しく、依然として重要な課題である。今回我々は、ラセミ基質とアルキル求核剤を用いた銅触媒による動的速度論的不斉変換について報告する。使用したアルキル求核剤はpKaが50以上で、そうした変換に通常使用される求核剤よりも塩基性が25桁以上高い。ヒドロメタル化によってアルケンからin situで有機金属試薬が生成され、温和な反応条件下で高度にエナンチオリッチな生成物が生じる。この方法を利用して、抗結核活性や抗ハンセン病活性を持つ天然物や、パラアミノ安息香酸生合成の阻害剤が合成された。また、機構研究によって、迅速に異性化する中間体を経て反応が進むことが示されている。我々は、この方法が既存の不斉触媒法を補完する有益な方法になると予想する。

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