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分子生物学:ERK/Cdk5経路はPPARγの糖尿病誘発性作用を制御する
Nature 517, 7534 doi: 10.1038/nature13887
肥満と関連したインスリン抵抗性は、2型糖尿病発症の主な前兆である。我々は以前の研究で、PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)のセリン273のサイクリン依存性キナーゼ(Cdk5)によるリン酸化が、脂肪組織で糖尿病誘発性遺伝子の発現を促進することを報告した。この修飾を阻害することは、PPARγに結合するチアゾリジンジオンや、PPARγの部分的アゴニストあるいは非アゴニストなどの抗糖尿病薬の主要な治療機序となっている。我々は、肥満に関連するこのPPARγリン酸化の重要性の解明をさらに進める目的で、脂肪組織特異的にCdk5を除去できるマウスを作製した。このマウスでは意外にも、PPARγのセリン273のリン酸化が増加し、またインスリン抵抗性が悪化した。不偏的プロテオーム研究によって、このようなノックアウトマウスではERK(extracellular signal-regulated kinase)に属するキナーゼ群が活性化していることが分かった。本研究では、ERKはPPARγのセリン273をロバストに直接リン酸化し、Cdk5はMEK(MAP kinase/ERK kinase)の新規部位に対する直接的作用を介してERKを抑制することを示す。MEKやERKを薬理学的に阻害すると、肥満の野生型およびob/obマウスのどちらでもインスリン抵抗性が顕著に改善され、Cdk5の除去から生じる悪影響も完全に解消されることは重要である。以上の結果は、ERK/Cdk5経路がPPARγ機能を制御しており、MEK/ERK阻害剤が2型糖尿病の治療に有効である可能性を示している。

