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免疫学:CEACAM1はTIM-3が仲介する寛容と疲弊を制御する

Nature 517, 7534 doi: 10.1038/nature13848

TIM-3(T-cell immunoglobulin domain and mucin domain-3;別名HAVCR2)は、寛容に関わる活性化誘導性の抑制性分子であり、慢性ウイルス感染やがんでT細胞疲弊を誘導することが示されている。特定の条件下では、TIM-3発現が活性化を引き起こすことも明らかにされている。TIM-3が、CTLA-4(cytotoxic T lymphocyte antigen 4)やPD-1(programmed death 1)のようにがん免疫療法の標的になっていることを考えると、TIM-3がT細胞応答を抑制および活性化する状況を明らかにすることは重要である。今回我々は、活性化T細胞に発現しT細胞抑制に関わるもう1つのよく知られた分子であるCEACAM1(carcinoembryonic antigen cell adhesion molecule 1)とTIM-3が共発現し、ヘテロ二量体を形成することを示す。生化学的、生物物理学的、およびX線結晶学的解析から、この2つのタンパク質が持つ、膜から離れているIgV(immunoglobulin-variable)様アミノ末端ドメインが相互作用に非常に重要であることが分かった。CEACAM1が存在することでTIM-3に抑制機能が生じる。CEACAM1は、2つの分子それぞれが持つ、膜から離れた非常に近縁のN末端ドメインを介してシス型のヘテロ二量体相互作用を形成することにより、TIM-3の成熟と細胞表面での発現を促進する。CEACAM1とTIM-3は、それらのN末端ドメインを介してトランス型の結合も形成する。CEACAM1およびTIM-3の間に形成されるシス型およびトランス型の相互作用の両方が、TIM-3の寛容誘導機能を決定している。マウスの養子移入腸炎モデルでは、CEACAM1欠損T細胞は、TIM-3および制御性サイトカインの細胞表面発現低下を伴って、炎症誘導性が非常に高くなるが、これはT細胞特異的なCEACAM1発現によって解消される。慢性ウイルス感染の際や腫瘍環境では、CEACAM1とTIM-3は疲弊T細胞の特徴となる。CEACAM1とTIM-3の同時阻害は、マウスの大腸がんモデルで抗腫瘍免疫応答を増強し、腫瘍排除が改善される。従って、CEACAM1はTIM-3のT細胞抑制能に必要とされるヘテロフィリック(異親性)結合性リガンドとして機能していて、この相互作用は自己免疫や抗腫瘍免疫の調節に非常に重要な役割を担っている。

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