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がん:PGE2が誘導するがん再増殖の阻害は膀胱がんの化学療法耐性を無効化する
Nature 517, 7533 doi: 10.1038/nature14034
腫瘍減量を行った場合、当初は細胞傷害性化学療法が効果を示すが、一部の患者では、複数回の投薬サイクル後に腫瘍が徐々に不反応性となる。これまでの研究で、がん幹細胞(CSC)は化学療法後に生存率が上昇して、選択的に数を増やすことが示されている。本研究では、ヒトの膀胱がん異種移植片を用い、膀胱がんのCSCが予想外の増殖応答を介して化学療法サイクルの間に残存腫瘍を再増殖させ、能動的に治療耐性に関わるという新たな機構をを明らかにする。さらなる解析によって、化学療法が引き起こした損傷への応答の際に、静止期標識を保持したCSCのプールで新たに細胞分裂が誘導されること、またこれが創傷修復における正常幹細胞の動員と類似していることが実証された。化学療法は効果的にアポトーシスを誘導するが、アポトーシスに伴って起こるプロスタグランジンE2(PGE2)の放出は、矛盾するように見えるものの、近傍のCSCの再増殖を促進する。この再増殖は、PGE2中和抗体やセレコキシブを介したPGE2シグナル伝達の阻害により抑制可能である。シクロオキシゲナーゼ2(COX2)阻害剤であるセレコキシブをin vivoで投与すると、PGE2やCOX2を介した創傷応答の遺伝子発現シグネチャーが効果的に消失し、化学療法に耐性を示す患者由来の初代異種移植片などから作製された異種移植片腫瘍での化学療法耐性の発現進行が抑えられた。まとめると、今回の結果は臨床で見られる化学療法耐性の漸進的発生をモデル化する新たな機序を明らかにしており、膀胱尿路上皮がんの化学療法応答を、初期の腫瘍再増殖を遮断することで増進するという補助治療法を示している。

