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幹細胞:多能性状態に至る複数経路のゲノム規模での特徴付け
Nature 516, 7530 doi: 10.1038/nature14046
体細胞の多能性状態への再プログラム化は、細胞の特異化に関する仮説の多くに疑問を投げ掛け続けており、多くの努力にもかかわらず、再プログラム化過程の分子レベルでの十分な特徴付けは達成できていない。この知識の空隙を埋めるために、今回我々は、広範囲にわたるトランスクリプトーム、エピゲノムおよびプロテオームのデータセットを作成し、マウスの胚性繊維芽細胞が誘導多能性の獲得に至る複数の再プログラム化経路を明らかにした。統合解析から、細胞は、別々の遺伝子発現とエピジェネティックなシグネチャーを経て移行し、再プログラム化用の導入遺伝子群に依存した安定な多能性状態と、導入遺伝子群に依存しない安定な多能性状態とに分岐することが明らかになった。再プログラム化転写因子群の高レベル発現によって駆動される早期の転写事象は、ヒストンH3リシン27のトリメチル化(H3K27me3)の広範囲にわたる消失に関連していることから、クロマチンが全般的に開いた状態にあることを示している。導入遺伝子の発現を高レベルに維持すると、H3K27me3が再獲得され、胚性幹細胞(ESC)様の運命とは別の安定な多能性状態に至る。一方、中間段階で導入遺伝子の発現レベルを下げると、ESC様のクロマチンおよびDNAメチル化のシグネチャーを獲得する方向に状態移行過程が誘導される。これらのデータは、再プログラム化経路の分子レベルでの包括的な説明となるものであり、Project Grandioseのポータルサイト(http://www.stemformatics.org)から利用可能である。

