Letter

技術:1千億フレーム/秒のシングルショット超高速圧縮写真撮影法

Nature 516, 7529 doi: 10.1038/nature14005

速い撮像速度で過渡的なシーンを捉えることは、写真家の念願であった。初期の例として、1878年の走る馬の有名な記録や、1887年の超音速の弾丸の写真がある。しかし、飛躍的進歩の実現には、20世紀後半になって105フレーム/秒を超える超高速撮像が実証されるまで待たなければならなかった。特に、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を利用した電子撮像センサーの導入が高速写真撮影に大変革を起こし、最高で107フレーム/秒の取得速度の実現が可能になった。これらのセンサーが広範な影響を及ぼしたにもかかわらず、CCDやCMOS技術を用いたフレームレートのさらなる増加は、オンチップ記憶速度や電子的読み出し速度によって根本的に制限されている。今回我々は、最高1011フレーム/秒で非反復的時間発展事象を捉えることができる圧縮超高速写真撮影法(CUP)という二次元動的撮像法を実証している。既存の超高速撮像法と比較すると、CUPには、単一カメラスナップショットでxytxyは空間座標、tは時間)シーンを測定することにより、数十ピコ秒の時間分解能で過渡事象の観察が可能になるという顕著な利点がある。さらに、従来の写真撮影法と同様に、CUPは受光専用なので、他の超高速シングルショット撮像装置に必要な特殊な能動照明は不要である。従って、CUPは、蛍光体や生物発光体などのさまざまな発光体を撮像することができる。我々はCUPを用いて、単一レーザーショットのみで、レーザーパルスの反射と屈折、2つの媒質における光子の競争、光より速い非情報伝搬(すなわち光の速度よりも速く見えるが情報を伝達できない運動)という4つの基礎物理現象を可視化している。CUPの能力を考えると、生物医学研究など、基礎科学と応用科学の両方で広範な応用が見いだされると我々は予想している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度