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がん:新しいヒストンH2AユビキチンリガーゼTRIM37は乳がんのがんタンパク質である

Nature 516, 7529 doi: 10.1038/nature13955

TRIM37(別名MUL)遺伝子は、17q23染色体領域に位置しており、最大約40%の乳がんで増幅されている。TRIM37は、E3ユビキチンリガーゼの特徴であるRINGフィンガードメインを持つが、その基質タンパク質は分かっていない。本論文では、TRIM37が、ヒストンH2Aをモノユビキチン化(転写抑制に関連するクロマチン修飾)することを報告する。17q23増幅のあるヒト乳がん細胞株では、TRIM37の発現が上昇しており、逆に、主要なH2AユビキチンリガーゼであるRNF2(別名RING1B)の発現は低下していることが分かった。17q23増幅のある乳がん細胞での全ゲノムクロマチン免疫沈降-マイクロアレイ(ChIP-chip)実験から、プロモーターにTRIM37が結合していて、ユビキチン化されたH2Aが豊富に存在する多くの遺伝子が見つかった。この中には多数の腫瘍抑制因子が含まれていた。しかし、ポリコーム抑制複合体1(PRC1)のサブユニットであるRNF2とは異なり、TRIM37はポリコーム抑制複合体2(PRC2)と結合することが分かった。TRIM37、PRC2およびPRC1は、特異的な標的遺伝子に共結合し、それらの転写サイレンシングを引き起こす。RNA干渉によるTRIM37のノックダウンは、ユビキチン化されたH2Aの喪失、標的プロモーターからのPRC1およびPRC2の解離、およびサイレンシングを受けた遺伝子の転写の再活性化を引き起こす。17q23増幅のあるヒト乳がん細胞におけるTRIM37のノックダウンは、マウス異種移植で腫瘍の増殖を大幅に低下させる。逆に、TRIM37の異所性発現は非形質転換細胞に腫瘍発生能を与える。総合すると我々の結果は、TRIM37が発がん性のH2Aユビキチンリガーゼであり、乳がんの一部で過剰発現していて、腫瘍抑制因子などの遺伝子のサイレンシングを促進することで形質転換を促していることを明らかにしている。

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