Letter

エネルギー工学:直射日光の下での周囲大気温度未満への受動的放射冷却

Nature 515, 7528 doi: 10.1038/nature13883

冷却は、全世界において重要なエネルギーの最終用途で、ピーク電力需要を押し上げる大きな要因である。例えば、空調は米国の建物で使用される一次エネルギーのほぼ15%を占める。従って、電力を投入せずに冷却する受動的冷却法は、世界のエネルギー消費に多大な影響を及ぼす可能性がある。冷却を実現するには、周囲の大気温度より低い温度まで到達しその温度を維持する必要がある。夜間に放射冷却と呼ばれる手法を用いて、周囲大気温度未満への受動的冷却が実証されたことがある。この放射冷却法では、空に向けたデバイスを用いて、波長8~13 μmの大気の透過窓を通して宇宙空間に熱を放出する。しかし、ピーク冷却需要は昼間に生じる。昼間に空を利用すると太陽によって放射冷却装置が加熱されるため、直射日光の下で表面を周囲温度未満に冷却する昼間放射冷却は実現されていない。今回我々は、直射日光の下で周囲大気温度より5°C近く低い温度への放射冷却を、実験的に実証している。我々は、熱フォトニック法を利用して、入射太陽光の97%を反射すると同時に、大気の透過窓の領域で強くかつ選択的に放射する、合計7層のHfO2とSiO2の交互層からなる一体型フォトニック太陽光反射・熱放射装置について報告する。このフォトニック放射冷却装置は、屋上で850 W/m2を超える直射日光にさらすと、周囲大気温度より4.9°C低い温度まで冷たくなり、周囲大気温度で40.1 W/m2の冷却能がある。この結果は、目的に合わせたフォトニック法によって、エネルギー効率を向上させる新しい技術的可能性を根本的に実現できることを実証している。さらに、1日のうちの最も暑い時間帯であっても、低温で暗い宇宙を熱力学的な再生可能資源として使うことができる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度