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有機化学:配向基を用いるヘテロ環C–H官能基化の限界を克服する
Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13885
配向基を用いるC–H活性化反応では、ヘテロ環基質に含まれる窒素原子や硫黄原子が金属触媒に必ず強く配位する。こうした配位は、触媒被毒や望まぬ位置での官能基化につながる可能性がある。このため、ヘテロ環系創薬へのC–H活性化反応の応用が限られ、そうした観点からこの反応は製薬会社の関心を大いに集めてきた。今回我々は、このヘテロ環C–H官能基化反応の実施に伴う問題を克服するロバストで合成的に有用な方法について報告する。我々の手法では、単純なN-メトキシアミド基を使用する。この基は、配向基としての役割を果たすとともに、唯一の酸化剤として空気を用いてPd(0)源から反応性PdX2(X = ArCONOMe)種のin situ生成を促すアニオン性配位子としての役割も果たす。この方法ではPdX2種が目的のC–H結合付近に置かれるため、ヘテロ環基質に存在する窒素原子や硫黄原子からの干渉が避けられる。この反応は、窒素、硫黄、リンなどの強配位性ヘテロ原子を含む基質に見られる従来の位置選択性パターンに優先する。従って、今回の操作容易な有酸素反応は、配向基を利用したC–H活性化の医薬品化学への応用を長らく困難にしてきた基本的制約を回避できることを明示するものである。

