Letter
宇宙物理学:相対論的ジェットの仕事率は降着円盤の光度よりも大きい
Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13856
活動銀河核からの相対論的なジェットの生成に対する理論モデルからは、事象の地平線付近の磁場だけでなく、中心部の超大質量ブラックホールの回転と質量からも、ジェットの仕事率が生じると予測される。磁場からの寄与の根底となる物理学的な機構は、降着物質によって増幅される磁場が、回転するブラックホールに及ぼすトルクである。磁場の2乗が質量降着率に比例するならば、ジェットの仕事率と降着光度との間に相関があると考えられる。そのような相関関係の証拠はあるが、用いられた制約のある不均質な標本の降着光度についての知識が不十分であるため、確実な結論を示すことはできなかった。本論文では、これまでの制約を打開する、ブレーザー(ジェットが地球の方向を向いているクエーサー)の標本のアーカイブされた観測結果の解析について報告する。我々は、γ線の光度によって計測されたジェットの仕事率と、幅の広い輝線によって計測された降着光度との間に明らかな相関があり、ジェットの仕事率が円盤光度を支配しており、これは数値シミュレーションと一致することを見いだした。このことは、ブラックホールの地平線を貫いている磁場が、降着物質によって持続可能な最大値に達することを示唆している。

