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微生物学:コレラ菌感染からの回復に関与するヒト腸内微生物相構成種

Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13738

下痢性疾患が世界的な問題であることを考えると、腸内微生物相を構成する種が小児や成人での下痢性疾患に対するリスク、疾患の経過と回復にどのように影響するかを解明するのは重要である。コレラ菌(Vibrio cholerae)によって引き起こされる急性で大量の下痢は、腸管病原体の侵入と腸内微生物相破壊の顕著な例である。今回我々は、下痢性疾患が大きな問題となっている地域に居住しているバングラデシュ成人コホートで、コレラによる下痢を発症している急性期と回復期に採取された糞便中の微生物相について詳細なメタゲノム時系列研究を行った。回復期には特徴的な細菌分類群蓄積パターンが見られることが明らかになり、このパターンはバングラデシュの健康な小児での腸内微生物相の形成および成熟のパターンと類似していた。この現象の基盤となる機構を明らかにするために、成人でのコレラからの回復と直接的な相関があり、またバングラデシュの健康な小児での正常な微生物相成熟を示しているヒト腸内細菌種から構成される人工的な微生物集団をノトバイオートマウスに導入した。導入細菌種の1つであるRuminococcus obeumは、このマウスにコレラ菌を感染させた際に相対的な存在量が一貫して増加した。さらに細菌の単独定着あるいは共定着などの追跡的解析を行った結果、R. obeumはコレラ菌の定着を抑制すること、R. obeum luxS[AI-2(autoinducer-2)シンターゼ]の発現とAI-2の産生がコレラ菌の侵入に伴って大幅に増加すること、またR. obeumのAI-2はクオラムセンシングを介して複数のコレラ菌定着因子の発現を抑制することが明らかになった。コレラ菌変異株との共定着実験によって、R. obeumのAI-2はコレラ菌AI-2センサーであるLuxPに依存しない新規の経路を介してコレラ菌の定着や病原性を減弱させることが分かった。今回報告された手法は、バングラデシュなどの地域の集団の腸内微生物相を探索し、自己誘導因子などの機序によってコレラ菌、あるいは他の腸管病原体の増殖を制限する微生物種を見つけ出すのに役立つだろう。

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