Letter

がん:GTPアーゼのRalを標的とする複数の小分子の発見と特徴付け

Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13713

Ras様GTPアーゼのRalAおよびRalBは、腫瘍の増殖や転移の重要なドライバーである。Ral機能を阻害する化合物は、研究ツールやがん治療薬として有用であると考えられる。今回我々は、タンパク質構造解析および仮想スクリーニングにより、GDP結合型Ralの1つの部位に結合する薬剤様分子を複数同定した。これらの化合物RBC6、RBC8およびRBC10は、RalがそのエフェクターであるRALBP1に結合するのを阻害し、加えて、Ralが仲介するマウス胚性繊維芽細胞の拡散や、ヒトがん細胞株の足場非依存性増殖も抑制した。RBC8誘導体であるBQU57のRalBへの結合が、等温滴定型熱量測定、表面プラズモン共鳴法および1H–15N TROSY(transverse relaxation-optimized spectroscopy)NMR分光法で確認された。RBC8およびBQU57は、GTPアーゼのRasおよびRhoAよりもRalの方に選択性を示し、また、RNA干渉によるRalの除去と同程度に腫瘍異種移植片の増殖を抑制する。今回の結果は、構造に基づく分子の発見がRal依存性がんの治療薬開発に有用であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度