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分子生物学:転写産物RNAを鋳型としたDNAの組換えと修復

Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13682

相同組換えは、DNA代謝で多数の重要な役割を持つ分子過程であり、あらゆる種類の生物でDNA修復や遺伝的変異の両方に関わっている。通常、相同組換えでは、2つの同一またはほぼ同一なDNA分子間で遺伝情報の交換が起こるが、相同組換えはRNAウイルスで見られるように、RNA分子との間でも起こり得る。これまでの研究で、酵母やヒト細胞のDNA二本鎖切断(DSB)修復では、合成RNAオリゴヌクレオチドが鋳型として作用し得ること、また、人工的な長いRNA鋳型を繊毛虫の細胞に注入するとゲノム再編成を誘導し得ることが明らかになっている。本研究では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)において、内在性の転写産物RNAが、染色体DNAとの相同組換えを仲介することを報告する。我々は、相同だが離れた遺伝子座、または逆転写の起きない酵母株で同じ転写産物を産生する遺伝子座で起こる染色体DSBの修復後に、転写産物RNAにより開始される相同組換え現象を検出する系を開発した。我々はRNA–DNA組換えがリボヌクレアーゼH1およびH2により阻害されることを見いだした。DSB修復は、H型リボヌクレアーゼが存在する場合には相補的DNA中間体を介して進行し、H型リボヌクレアーゼが存在しない場合には直接的にRNAを介して進行する。同じ遺伝子座の染色体DNAパートナーに対してその転写産物が近くにあると、DSB修復の際にRad52による相同組換えが促進される。我々は、酵母とヒトのRad52タンパク質が、RNAのDSB様DNA末端へのアニーリングをin vitroで効率的に触媒することを示す。今回の結果は、転写産物RNAがDSB修復の鋳型として用いられるという、相同組換えとDNA修復の新たな機構を明らかにしている。従って、細胞内にRNA転写産物が豊富に存在することを考えると、RNAはゲノムの安定性や可塑性に著しい影響を与えている可能性がある。

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