構造生物学:SWEET輸送体細菌ホモログの2種類のコンホメーション
Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13670
SWEETとその原核生物ホモログは単糖類および二糖類の輸送体で、古細菌から植物やヒトにまで存在する。SWEETは、細胞からの糖の流出過程、すなわち師部ローディング(積み込み)や花粉への栄養輸送、花蜜分泌に重要な役割を果たしている。SWEETの細菌ホモログはSemiSWEETと呼ばれ、これまで知られている中で最も小型の部類の輸送体である。今回我々は、3ヘリックスバンドルからなるSemiSWEETが、平行に並んで対称的な二量体を形成し、それによって転流経路ができることを明らかにする。SemiSWEETの2種類のアイソフォームが結晶化され、その1つは開いたように見える状態、もう1つはふさがった状態であり、これらはSemiSWEETとSWEETが、輸送サイクルの際にロッキングチェア型の動きをする輸送体であることを示している。この3ヘリックスバンドルのトポロジーは、動物や植物のMFS(major facilitator superfamily)輸送体(例えばGLUTやSUT)の基本的な構成要素である3ヘリックスバンドルのそれと似ているが、違いもある。これには2つの可能性が考えられる。すなわちSWEET輸送体とMFS輸送体が、祖先となる1つの3ヘリックスバンドルから進化した可能性と、この3ヘリックスバンドルが収斂進化を遂げてきた可能性である。SemiSWEETとSWEETでは2つの3ヘリックスバンドルが平行に並ぶように配置されていて、それぞれ6本の膜貫通ヘリックスからなる小孔、あるいは6 + 1本の膜貫通ヘリックスからなる小孔を形成している。12本の膜貫通ヘリックスを持つMFS輸送体では、4つの3ヘリックスバンドルが交互に逆平行となるように並び、ずっと大型の2 × 2の3ヘリックスバンドルからなる小孔が作られている。SemiSWEETとSWEETがPQループアミノ酸輸送体やミトコンドリアのピルビン酸運搬体(MPC)に似ていることを考えると、今回特徴が明らかになった構造は、MtN3族の他の輸送体にも関係があるかもしれない。これらの輸送体の構造や、保存された残基の変異の解析から得られた知見は、輸送機構の解明に役立つだけでなく、糖の輸送に関わるさまざまなスーパーファミリーの比較研究や、輸送体の進化全般の研究を可能にすると考えられる。

