Letter
超伝導:SrTiO3上のFeSe膜におけるTc上昇の起源としての界面モード結合
Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13894
最近、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3またはSTO)基板上に成長させた単位格子1個分の厚さのセレン化鉄(FeSe)膜において、液体窒素の沸点(77 K)に近い温度で超伝導エネルギーギャップが開くことが示された。これは、鉄系超伝導体では最高の温度である。ギャップはクーパー対(超伝導の原因となる束縛電子状態)形成を示唆するため、通常は、ギャップが開く温度によって超伝導転移温度Tcが定まる。我々は、クーパー対がそのような高温で形成される理由を解明するため、SrTiO3基板の役割を調べている。今回我々は、高分解能角度分解光電子分光測定を行った結果、単一単位格子FeSe/SrTiO3系の意外な特徴が明らかになったことを報告する。すなわち、シェイクオフバンドからボソンモードの存在が示唆され、このボソンモードは、SrTiO3における酸素の光学フォノンである可能性が最も高く、わずかな運動量移行でFeSe電子と結合する。そのような界面結合は、スピンゆらぎを介するものを含むほとんどのチャネルにおいて、超伝導を促進する。我々の計算結果は、この結合が、単一単位格子FeSe/SrTiO3において超伝導ギャップが開く温度を上昇させる原因であることを示唆している。

