物性物理学:相互作用する量子回路におけるトポロジカル転移の観察
Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13891
トポロジーは、その抽象的な数学的構成と共に物理学にしばしば現れ、自然現象に関する我々の理解において極めて重要な役割を担っている。とりわけ、凝縮物質系におけるトポロジカル相の発見は、物質の相に関する現代の概念を変えた。しかし、トポロジカル秩序の大域的な性質のため、実験により直接調べることは未解決の課題となっている。現在の実験手段の大部分は間接的なものであるため、基本的なレベルで物理系のトポロジーを調べるには不十分である。今回我々は、最先端の超伝導量子回路から得られる精巧な制御を利用して、さまざまな量子系のトポロジカル特性を調べた。我々の方法の核心は、ハミルトニアンの曲がった空間における量子トラジェクトリーの偏向を測定することによって、幾何学的曲率を推定することである。次に、この曲率を閉曲面全体にわたって積分して、つまりガウス・ボネの定理の量子版によって、トポロジカル特性が明らかになる。この凝縮物質モデルの運動量空間を単一キュービットハミルトニアンのパラメーター空間へ写像した後、歴史的に重要なHaldaneモデルの基本的なトポロジカル概念を調べて、我々の手法を評価した。トポロジカル相図を作るとともに、これに伴う状態の微視的なスピンテクスチャーと、トポロジカル相転移をまたぐそれらの発展を可視化できた。相互作用しない系を越えて、相互作用する量子系のトポロジーを調べて、我々の方法の能力が実証された。これには、2キュービットハミルトニアンの全ての項を同時に制御できる新しいキュービットアーキテクチャーが必要であった。このハミルトニアンのパラメーター空間を調べて、相互作用によって生じるトポロジカル相が出現することが見いだされた。今回の成果によって、量子系におけるトポロジカル現象を調べる強力で一般化可能な実験プラットフォームが確立された。

