地球物理学:沈み込みが駆動する大陸縁辺域リソスフェアの循環
Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13878
海洋リソスフェアの沈み込みによる循環は、プレートテクトニクスの中心的課題の1つであるが、大陸リソスフェアの循環はよりはるかに複雑であるように思われ、あまりよく分かっていない。剥離による薄層化と対流による下降流は、造山帯の下や造山帯に隣接するリソスフェア・マントルの除去を説明するために導入された広く認識されている2つの過程である。本論文では、特定のプレートテクニクス環境における海洋プレートの沈み込みと隣接する大陸リソスフェアの除去を関連付ける。我々は、密な広帯域地震観測実験によって遠地実体波の画像を構築した。この画像は、南米北東部の下の沈み込んだ大西洋スラブとジブラルタル弧地域の下のアルボラン・スラブに伴う、予想よりも大きな体積の異常に速度の速いマントルを示している。この異常は、深さ200 km以上の大陸縁辺域に沿ってその下に広がっている。レイリー波の解析によって、大陸縁辺域下のリソスフェア・マントルは予想よりもかなり薄く、薄いリソスフェアは沈み込み帯に隣接する造山帯から内陸に向かって近傍のクラトン塊の端にまで広がっていることが分かっている。こうしたデータを合わせて、本論文では沈み込み帯に隣接する大陸リソスフェアの減少をもたらし得る過程について述べる。沈み込む海洋プレートは、大陸熱境界層リソスフェア底部を粘性によって移動させ隣接する大陸縁辺域から除去できる。これによって表層テクトニクスが駆動され、リソスフェア–アセノスフェア境界に沿った地形が形成されて、さらなる変形に対して縁辺域の条件が整えられる。これは、大陸内部の下、おそらく南米とジブラルタル弧の下でそれぞれ二次的な下降流の発達をもたらし、ジブラルタル弧周辺のようにリソスフェア・マントル全体の剥離による薄層化をもたらし得る。この過程は、こうした沈み込み帯における複雑な海洋・大陸テクトニクスを説明するために提案された、数多くの、時には互いに排他的な地球ダイナミクスモデルを調和させる。

