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有機化学:酸化リグニンから芳香族化合物へのギ酸誘起脱重合

Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13867

リグニンは、地球上の有機炭素の30%近くを占める不均一な芳香族生体高分子で、数少ない再生可能な芳香族化合物源の1つである。リグニンはリグノセルロース系バイオマスの3つの成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)の中で最も処理しにくい物質なので、パルプ製紙業界では廃棄物として扱われてきた。製紙工場では、エネルギー供給やパルプ化薬剤回収のためにリグニンが燃やされる。しかし、リグニンからもっと高い価値を引き出すことが、統合バイオリファイナリーの経済的実行可能性にとって極めて重要との認識が高まっている。脱重合は、有益な芳香族化合物や下流プロセスに適した低分子量原料をもたらす可能性があるため、多くのリグニン価値決定戦略の重要な出発点となる。商業的な前例から、特定の種類のリグニン(リグノスルホン酸塩)がバニリンなどの市場性のある製品に変換される可能性があることが分かっているが、リグニンの価値連鎖を高めるには新しい技術が必要である。しかし、リグニンの構造は複雑で不規則なため、化学変換の取り組みは困難である。既知の脱重合法では、一般的に、不明確な生成物が低収率(すなわち10~20重量%未満)で得られるにすぎない。今回我々は、温和な条件下で含水ギ酸中において酸化リグニンを脱重合する方法によって、60重量%を超える収率で低分子量芳香族化合物が得られたことを報告する。また、この簡便なC–O開裂法の発見、アスペン・リグニン脱重合への応用、この反応の機構的考察について報告する。さらに、こうした結果がリグニン変換やバイオマス精製に及ぼすより幅広い影響についても検討する。

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