Letter
生理:血管構築と生理的力とのPiezo1を介した統合
Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13701
物理的な力が内皮細胞を制御し、血管の構造や機能で見られる複雑さを決定する仕組みは不明である。感覚神経を使った研究から、Piezoタンパク質がCa2+透過性の非選択的陽イオンチャネルのサブユニットとして侵害性機械刺激を感知することが示唆されている。今回我々は、Piezo1(Fam38a)チャネルが擦過力(ずり応力)のセンサーであり、発生過程および成体生理の両方で血管構造を決定することを示す。マウスのPiezo1を全身的に、あるいは内皮細胞特異的に欠損させると、発生過程にある血管の成長が強く障害され、心臓拍動開始後数日以内に胚性致死となった。ハプロ不全マウスは致死ではなかったが、成熟したその血管では内皮細胞の異常が検出された。Piezo1チャネルの血流センサーとしての重要性は、内皮細胞でPiezo1依存的なずり応力誘発性のイオン電流やカルシウム流入が観察されたこと、また外来性Piezo1の導入が元来はずり応力に抵抗性の細胞を感受性としたことから明らかになった。このカルシウム流入に引き続き、下流ではプロテアーゼが活性化され、加えられた力の方向に応じて内皮細胞の構成位置が変化した。これらの結果から、Piezo1チャネルは血管生物学上、重要な統合装置として機能していると考えられる。

