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構造生物学:Sxl–Unr翻訳調節複合体組み立ての構造基盤

Nature 515, 7526 doi: 10.1038/nature13693

雄と雌の遺伝的等価性は、染色体規模で働く遺伝子量補償機構によって確立されている。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の雄では、遺伝子量補償複合体が1本しかないX染色体の転写を2倍にする高転写(hypertranscription)を促進し、雌ではこの複合体の働きが、その限定的成分をコードするmsl2の翻訳阻害によって抑えられている。雌特異的なタンパク質Sxl(Sex-lethal)は、Unr(Upstream-of-N-ras)をmsl2 mRNAの3′非翻訳領域に誘導し、リボソーム小サブユニットの結合を妨げる。今回我々は、Sxl–Unr–msl2からなるリボ核タンパク質三元複合体の分解能2.8 Åでの結晶構造とNMRとX線・中性子小角散乱データを報告し、Sxlの2個のRNA認識モチーフ、Unrの低温ショックドメインおよびRNAが絡み合って相互作用しているという、これまでに例のない特徴を明らかにする。協調的な複合体形成は、Unrの低温ショックドメインのRNA結合親和性を1000倍に高めることにつながり、新規な三元相互作用に加えてSxl RNA認識モチーフ1のα1ヘリックスによる非標準的なRNA結合が生じる。これらの知見は、雌の生存に必要な遺伝子量補償抑制が、翻訳を調節するリボ核タンパク質スイッチを固定状態にする特異的な協調的分子間相互作用によって起動することを示している。この構造は、広く見られる一般的なRNA結合ドメインを組み合わせて、遺伝子発現調節における一本鎖RNAの特異的認識の基準を拡張する仕組みの一例といえる。

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