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発生生物学:植物の初期胚発生への母方ゲノムと父方ゲノムの寄与は同等ではない

Nature 514, 7524 doi: 10.1038/nature13620

後生動物の接合子ゲノムの活性化は、通常、受精後数時間から1日後に起こり、動物の初期胚発生を担うのは母親由来のRNAとタンパク質である。植物では、受精後の転写活性化に関して分子レベルの研究がいくつか行われているが、接合子ゲノム活性化のタイミングについてはいまだに議論が続いている。例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis)初期胚のトランスクリプトームのRNA塩基配列プロファイリングを、さまざまな生態型を組み合わせた雑種を用いて行った最近の2つの報告では、異なった結論が得られている。一方は、父方ゲノムの寄与は遺伝子により違いがあるが、全体的には母方の寄与が優勢であると結論し、もう一方は、母方ゲノム、父方ゲノムの転写は同等であるとしている。今回我々は、EMBRYO DEFECTIVE遺伝子49個の大規模な解析を行い、野生型の父方の対立遺伝子が母方の変異対立遺伝子によって生じた表現型を補完できるかどうかを検証することにより、同質遺伝子系統における父性遺伝子の活性化を機能の面で調べた。その結果、これらの遺伝子のうち9個では、野生型の父性対立遺伝子が受粉の2日後には完全に機能しているが、残る40個の遺伝子は受粉の2日後、3日後、あるいは5日後に部分的に活性を示し始めることが明らかになった。また我々は、この機能的解析を用いて、雑種の組み合わせが違うと父性対立遺伝子の活性化に著しい差が生じることを実証して、これまでの転写研究で得られた一見矛盾する結果を説明した。今回観察された遺伝子機能発生のタイミングの差異により、父方ゲノムの活性化は早期に1回の個別の段階として起こるのではないことが確かめられ、植物の初期胚発生への母方ゲノムと父方ゲノムの寄与は同等ではないことの大規模な機能的証拠が得られ、また雑種の遺伝的背景が父性遺伝子の活性に対し、意外なほど大きな影響を持つことが明らかになった。

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