Letter
進化:ハルキゲニアの有爪動物様の鉤爪と、Tactopodaの存在を裏付ける証拠
Nature 514, 7522 doi: 10.1038/nature13576
古生代型分類群である葉足動物には、極めて良好な状態の化石堆積層で見つかった軟体性のさまざまな「脚のある蠕虫様動物」が含まれる。葉足動物は、汎節足動物の系統樹の根元近くに位置するが、派生的形質が少ないため、現生の複数の門(有爪動物、緩歩動物および真節足動物)との進化上の類縁関係がよく分かっていない。本論文では、カンブリア紀中期の葉足動物ハルキゲニアの一種Hallucigenia sparsaで脚先端の鉤爪に見られる複雑な構造(複数の構成要素が積み重なったもの)について報告し、現生有爪動物の顎および鉤爪もそれらと同等の構成要素でできていることを示す。汎節足動物の頭部体節の発生データから得た情報に基づく分岐学的解析により、ハルキゲニアと現生有爪動物では積み重なった硬皮要素が相同であることが示され、ハルキゲニア類葉足動物がステム群有爪動物であることが明らかになった。これらの結果は、緩歩動物と真節足動物が姉妹群の関係にあることを示しており、この2種類の分岐群の統合を示唆する神経学的および筋骨格的証拠に対する古生物学上の裏付けとなる。今回の知見は、汎節足動物の各門を生じた進化的変遷を明らかにするとともに、祖先的な汎節足動物の葉足動物様の形態を詳しく説明している。

