Letter

地球:岩盤峡谷の流れ

Nature 513, 7519 doi: 10.1038/nature13779

河川の岩盤浸食は、地形が発達する速度を調節し、造山帯の進化に影響を与え、山脈の規模、形状、起伏を決定する。さまざまなモデルによって、流体の流れと堆積物輸送過程が峡谷における岩盤の切り込みと関連付けられている。堆積物輸送過程を表現するモデルの構成要素の開発はよく進んでいる。それとは対照的に、流体の流れを表現するモデルの構成要素は、岩盤峡谷における流れの構造の観測がないためにほとんど検証されていない。本論文では、42個の独立した岩盤峡谷を含むカナダ西部フレイザー峡谷の、524 kmに及ぶ連続した中央線の超音波ドップラー流速計観測を提示する。流れの三次元構造のこの観測結果から、水が峡谷に流れ込むと高速の水塊が河床表面に沿って流れ、速度逆転(河床付近では高速、表面では低速となる)が生じることが明らかになった。次に、急速に沈み込んだ水は峡谷の壁に沿って上昇して、流れに沿ってそろった逆回転する流れの構造をもたらし、この構造は河床近くで発散する。結果として生じる流れの構造によって、岩盤流路の底の深い浸食と、峡谷の壁の削落が促進される。こうしたことから、流路が広がる機構が得られ、流路の壁の基部に堆積することが多い漂積物が確実に一掃されて、壁がほぼ垂直に保たれる。このような観測結果は、岩盤峡谷の流れの構造は現在用いられているモデルで仮定されているより複雑であることを明らかにしている。簡潔で計算が容易な現象論的法則を用いて、三次元流れ場の本質を捉えた流体モデルにより、流れ、岩盤浸食、固体地球ダイナミクスの間の動的関連性を捉える必要がある。

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