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植物科学:作物の光合成を増強する可能性を持つ、触媒速度のより速いRubisco

Nature 513, 7519 doi: 10.1038/nature13776

光合成生物で大気中のCO2を生物圏へと固定する役割を果たす重要な酵素は、D-リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)である。Rubiscoには反応効率を下げるオキシゲナーゼ活性があり、代謝回転速度も遅いため、この酵素は維管束植物の光合成効率を改善する際の最重要標的の1つとなっている。シアノバクテリアのCO2濃縮機構(CCM)を植物に導入できれば、作物の収量を増やせると考えられているが、Rubiscoは構成が複雑なため、この酵素に手を加えるのは非常に難しく、植物の酵素をシアノバクテリアや紅藻由来の酵素と置き換える試みはこれまで成功していなかった。今回我々は、シアノバクテリアのSynechococcus elongatus PCC7942(Se7942)由来の正常に機能するRubiscoを持つ、葉緑体を形質転換した(transplastomic)タバコ株2種類を作出した。タバコ本来の Rubiscoの大サブユニットをコードする遺伝子のノックアウトは、Se7942のRubiscoの大サブユニットおよび小サブユニットの遺伝子を、Se7942組み立てのシャペロンであるRbcX遺伝子、あるいはカルボキシソーム内部タンパク質CcmM35(3個の小サブユニット類似ドメインを持つ)の遺伝子のどちらかと組み合わせて挿入することにより行われた。Se7942のRubiscoとCcmM35は葉緑体ストロマ内部で巨大分子複合体を形成し、その状況はシアノバクテリアのβ-カルボキシソーム生合成の初期段階によく似ていた。形質転換した2つの株はどちらも光合成能力があって独立栄養成長を支え、どちらの株のRubiscoも、対照であるタバコRubiscoに比べ、酵素の単位当たりのCO2固定速度が高かった。これらの葉緑体形質転換タバコ株は植物の光合成効率改善に向けた重要な一歩であり、無機炭素輸送体やβ-カルボキシソームの殻タンパク質などのシアノバクテリアCCMの他の構成成分を今後導入する際の宿主として有用となると考えられる。

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