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微生物学:RNAi依存的なエピ変異により生じる抗真菌剤耐性

Nature 513, 7519 doi: 10.1038/nature13575

微生物はさまざまな機構を介して進化するが、そうした機構には有性生殖や疑似有性生殖、ミューテーター、異数性、Hsp90、さらにはプリオンなどが含まれる、あるいは関与すると考えられている。有害に思われるような機構でも、別の目的を付与されて多様性を生み出すこともある。本研究では、ヒトに対する病原性真菌類のケカビの一種(Mucor circinelloides)が、2つの異なる機構を介して、抗真菌剤FK506(タクロリムス)に対して自然耐性を持つようになることを示す。1つはメンデル変異によるもので、これにより安定した薬剤耐性が獲得される。もう一方は、エピジェネティックなRNA干渉(RNAi)を介した経路で起こり、不安定な薬剤耐性が生じる。ペプチジルプロリルイソメラーゼFKBP12は、FK506と相互作用して複合体を形成し、プロテインホスファターゼであるカルシニューリンを阻害する。FK506によりカルシニューリンを阻害すると、M. circinelloidesは菌糸体型へ移行できなくなり、酵母増殖するようになる。FKBP12をコードするfkbA遺伝子や、カルシニューリンのcnbRあるいはcnaA遺伝子に変異が起こるとFK506耐性が生じ、菌糸増殖が回復する。それと平行して、自然発生的にRNAiが誘導されてfkbA遺伝子をサイレンシングし、薬剤耐性エピ変異を引き起こす。FK506耐性エピ変異体は、薬剤にさらされずに増殖すると、容易に薬剤感受性の野生型表現型へと復帰する。これらのエピ変異体の成立には、大量のfkbA低分子RNAの生成が伴い、RNAi経路だけでなく、エピ変異体状態を抑制あるいは逆転させる他の因子も必要とされる。サイレンシングには、アンチセンス鎖fkbA RNAを産生するために、鋳型としてfkbAの成熟mRNAを用いた二重鎖RNAトリガー中間体の産生が必要である。この研究は、表現型の可塑性を制御するエピジェネティックなRNAiに基づく新規のエピ変異機構を明らかにするものであり、真菌や他の真核生物における抗菌剤耐性とRNAi制御機構についての手掛かりもここから得られるかもしれない。

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