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がん:腫瘍に由来する乳酸による腫瘍関連マクロファージの機能的分極化
Nature 513, 7519 doi: 10.1038/nature13490
マクロファージは、組織恒常性の維持に重要な役割を担っている。この機能を実行するには、マクロファージは自身の「クライアント細胞」、つまり、マクロファージが存在するさまざまな組織内にある実質細胞の機能状態を監視する能力を持たなければならない。腫瘍は、組織構造や細胞構成など、異常発達した器官の特徴を数多く示す。正常な組織や器官のマクロファージと同様、腫瘍のマクロファージ(腫瘍関連マクロファージ)も、いくつかの主要な恒常性機能を果たすことで腫瘍の維持と増殖を可能にしている。しかし、腫瘍とマクロファージ間でのコミュニケーションに関わるシグナルについては、よく分かっていない。本研究では、好気的あるいは嫌気的解糖の副産物として腫瘍細胞が産生する乳酸が、血管内皮細胞増殖因子の発現や腫瘍関連マクロファージのM2様の分極化の誘導を介して、シグナル伝達で非常に重要な機能を持つことを示す。さらに、乳酸のこの影響は、低酸素誘導因子1α(HIF1α)により仲介されること、マクロファージで乳酸が誘導するアルギナーゼ1の発現が、腫瘍の増殖に重要な役割を持つことも分かった。以上を総合して今回の結果は、マクロファージと、腫瘍細胞などのクライアント細胞との間のコミュニケーション機構を明らかにするものである。このコミュニケーションは、おそらく正常組織の恒常性を促進するために進化したものと考えられるが、腫瘍での増殖促進にも関わっている可能性がある。

