Letter

生物地球化学:微生物群集の応答が高める土壌呼吸速度の温度感受性

Nature 513, 7516 doi: 10.1038/nature13604

土壌が蓄積する炭素の量は植物バイオマスの約4倍であり、土壌微生物の呼吸は二酸化炭素として年間約60ペタグラムの炭素を大気中に放出している。短期的な実験では、土壌微生物の呼吸量が温度とともに指数的に増加することが明らかにされている。この知見が土壌炭素モデルと地球システムモデルに組み込まれ、温暖化によって生じる土壌からの二酸化炭素放出量の増加が、21世紀の気候変動に影響を及ぼす可能性がある重大な正のフィードバックループとなることが示唆されている。しかし、このフィードバックの大きさはまだよく分かっていない。それはとりわけ、温度の変化に対する土壌微生物群集の応答が、温暖化によって生じる炭素の損失を大幅に減少させる可能性も増加させる可能性もあるためである。今回我々は、北極からアマゾンまでの気候勾配に沿ってさまざまな生態系の土壌を収集し、微生物群集レベルの応答が土壌呼吸の温度感受性をどのように支配しているのか調べた。その結果、微生物群集レベルの応答は、中長期的(90日)な呼吸の温度感受性を抑制するよりも増強する場合が多いことが明らかになった。さらに、炭素窒素比(C/N比)が高い土壌と寒冷な気候の地域の土壌において、最も強く温度感受性を増強する応答が観察された。90日後には、微生物群集の応答は、高緯度土壌の呼吸の温度感受性を、即時的な温度応答の1.4倍に上昇させた。このことは、北極と寒帯の土壌に貯蔵されている大量の炭素が、気候温暖化に対して現在の予測より脆弱である可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度