Letter
惑星科学:潮汐と自転による月の形状と極運動の証拠
Nature 512, 7513 doi: 10.1038/nature13639
月の大規模地形の起源は、月の地質学的性質、月の軌道進化、天空における月の方向を理解するのに重要である。その起源に対するこれまでの仮説には、後期集積事象、大規模衝突、潮汐効果、対流過程などがある。しかし、これらの仮説を検証し月の地形を定量化することは、地殻の結晶化以降に形成された大規模な盆地によって困難になっている。本論文では、このような盆地の外側における月の大規模地形と重力の球面調和関数を見積もり、球面調和関数の次数2の地形の大部分が、月全体の初期潮汐加熱により支配される地殻形成過程と矛盾しないことを示す。次数2の地形の残りは、後に長半径が地球半径の32倍のところで形成され凍結した潮汐と自転による膨らみと一致する。次数2の形状が潮汐加熱と凍結形状の特徴の両方を偶然持つ確率は1%以下である。さらに、内部の密度に差異があったために、月の極軸の方向が36 ± 4°変わり、現在見られている配置になったことも推測される。こうした結果をまとめると、月の表側と裏側の地質学的性質が関連付けられ、長い間謎であった月の大規模地形、重力、極運動の歴史に対する疑問が解決される。

