Letter
材料科学:超高速液体急冷による単原子金属ガラスの形成
Nature 512, 7513 doi: 10.1038/nature13617
長年にわたって、冷却速度が十分速ければあらゆる金属液体をガラス化できると推測されてきた。しかし、単元素金属液体の実験的ガラス化が難しいことはよく知られており、単原子金属ガラス形成の厳密な実験室実証はほとんど行われていない。今回我々は、1014 K s−1というかつてないほど速い液体急冷速度を実現することによって単原子金属液体をガラス化する実験的手法について報告する。こうした速い冷却速度で、液体タンタルや液体バナジウムなどの純粋な耐熱性体心立方(bcc)金属の融液のガラス化に成功し、特性を調べるのに適した金属ガラスが形成されている。我々は、in situ透過電子顕微鏡観察と原子–連続体モデリング(atoms-to-continuum modelling)を併用することによって、得られた単原子金属ガラスの形成条件と熱的安定性を調べた。最も単純なガラス形成体である単原子金属ガラスが得られるようになったことで、ガラスの構造と特性の関係を研究する類のない可能性が得られる。さらに、我々の手法で可逆的なガラス化–結晶化過程を大きく制御できることが分かり、微小電気機械素子に応用できる可能性も示唆される。実験で達成可能な最大液体急冷速度に近い超高速冷却速度を実現できたことによって、ナノ秒からピコ秒領域の過冷却金属液体の高速動力学や構造挙動の研究が可能になる。

