Letter
量子物理学:調整可能なスピン–スピン相互作用と分離したポテンシャル井戸中のイオンの量子もつれ
Nature 512, 7512 doi: 10.1038/nature13565
量子シミュレーション、すなわち1個の量子系を使った制御性がさらに低い系のシミュレーションを行えば、古典コンピューターを使ってモデル化できない多くの量子系を理解できる可能性がある。さまざまな量子系の制御と操作についてはかなりの進展が見られたが、残っている難題の1つは拡張可能なデバイスの実現である。これに関して、分離した調整可能なポテンシャル井戸中に捕捉した個々のイオンが有望である。本論文では、イオンが捕捉された局所的な井戸を独立に制御することにより、この方法の基本的な特徴を実現し、2個のイオン間のクーロン相互作用を決定論的に調整できることを実証する。このスキームは、さまざまな範囲のスピン–スピン相互作用を模擬するのに適しているが、我々の設定の性能を特性評価するため、2個のイオンの内部状態を0.82(1)(括弧内の数値は平均値の標準誤差を表す)の忠実度でもつれさせる相互作用を選んだ。この構成要素を、イオントラップ微細加工プロセスを使えば可能となる二次元ネットワークへ拡張すれば、イオンの配列とそれらの相互作用を設計し拡張する上で、幅広い柔軟性のある新しい量子シミュレーターアーキテクチャーが得られる可能性がある。分数量子ホール効果などの凝縮物質現象のシミュレーションを含む有用な量子シミュレーションを行うには、数十個のイオンの配列で十分かもしれない。

