Letter
地球:レーニア山の地下に沈み込むスラブから地表へのメルトと流体の流路
Nature 511, 7509 doi: 10.1038/nature13493
収束境界の火山活動の起源は、沈み込むスラブが降下していく上部マントルで主に起きる部分溶融である。マントル物質の溶融は2つの経路の内の1つで生じ得る。1つは、スラブによってマントル内に生じた流れによって、上昇流と断熱減圧による融解が生じ得るというもので、もう1つは、脱水反応によって下降するスラブから放出された流体が高温のマントルウェッジに移動し、固相線温度を下げることで融解が生じるというものである。この2つの機構は、互いに排反するわけではない。どちらの場合でも、浮力のあるメルトは地表へと進み、地殻の中にとどまるか溶岩となって噴出する。本論文では、米国ワシントン州中央部を横切って収集された地磁気地電流データを用いて、流体メルト相の完全な流路を画像化する。同じ場所で行われた地震学的研究による制約条件を地磁気地電流逆解析過程に組み込むことで、沈み込み帯における流体とメルトに対するより優れた制約条件が得られた。特に、スラブ上面あるいはその近傍での流体の放出、その上のマントルウェッジへの流体移動、ウェッジ内での溶融、レーニア山の地下の地殻にあるマグマだまりへのメルト/流体相の移動を明らかにし、関連付けることができた。

