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医学:インスリン分解酵素阻害剤の抗糖尿病活性は複数のホルモンによって仲介される
Nature 511, 7507 doi: 10.1038/nature13297
内因性のインスリン分解の阻害が2型糖尿病を治す可能性はずっと以前から考えられており、また、IDE(insulin-degrading enzyme)が糖尿病感受性遺伝子であることも明らかにされているが、亜鉛金属タンパク質であるIDEの活性とグルコース恒常性の間の関係はまだ解明されていない。Ide−/−マウスでは、インスリンレベルは上昇しているが、耐糖能は改善されずに障害されていて、これはインスリンシグナル伝達の補償的な機能不全から生じている可能性がある。従って、in vivoで活性を示すIDE阻害剤については、IDEの生理的役割を解明し、IDEが糖尿病治療の標的となり得るかどうかを決定しなくてはならない。本論文では、DNA鋳型マクロサイクルライブラリーから見つかった、生理活性を示すIDE阻害剤について報告する。IDEに結合するこのマクロサイクルのX線構造から、この阻害剤は触媒部位から離れた結合ポケットを占めることが明らかになり、これはこのマクロサイクルの非常に高い選択性を説明している。痩せマウスおよび肥満マウスにこの阻害剤を投与することで、IDEがインスリンだけでなく、グルカゴンやアミリンの存在量やシグナル伝達を調節することが分かった。グルコースの経口投与のような、インスリンやアミリンのレベルを上昇させる生理的条件では、IDEの急性阻害は耐糖能の大幅な改善および胃内容物排出遅延を引き起こす。これらの知見は、IDE活性の調節が2型糖尿病の新規治療戦略として実現可能であることを実証しており、また、グルコースおよびホルモンの調節におけるIDEの役割の解明を進めるものだ。

