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がん:BRCA1はTus/Terで停止した哺乳類の複製フォークにおける相同組換えを制御する

Nature 510, 7506 doi: 10.1038/nature13295

複製フォークが停止すると、ゲノムの不安定化が促され、がんなどの疾患にかかりやすくなることがある。停止した複製フォークは、姉妹染色分体組換え(SCR)により処理され、誤りのない(error-free)あるいは誤りがちの(error-prone)相同組換え(HR)による結果が生じ得る。哺乳類細胞では、遺伝性乳がん/卵巣がんの主要な素因遺伝子産物であるBRCA1およびBRCA2が、停止した複製フォークでのHR/SCRを制御しているという仮説が長く提唱されてきた。BRCA1およびBRCA2は複製フォークのプロセシングに影響を与えるが、この過程を解析する手段がないため、BRCA遺伝子産物が停止した染色体複製フォークでの相同組換えを調節することの直接的な証拠は得られていない。本研究では、大腸菌(Escherichia coli)のTus/Ter複合体を改変することで、マウスの細胞で部位特異的な複製フォーク停止と染色体HR/SCRを誘導できることを報告する。Tus/Terによる相同組換えは、双方向に停止したフォークのプロセシングを必要とする。Brca1のカルボキシ(C)末端縦列BRCT反復配列とエキソン11がコードするBrca1の領域(Brca1において腫瘍抑制に関連するとされる2つのエレメント)は、Tus/Terによる相同組換えを制御することが分かった。Brca1あるいはBrca2を不活性化させると、Tus/Ter停止フォークでの「ロングトラクト」遺伝子変換の絶対頻度が増加する。これは部位特異的エンドヌクレアーゼを介した染色体二重鎖切断への応答では観察されない結果である。従って、停止したフォークにおける相同組換えは、複製フォークとは無関係に生じる二重鎖切断での相同組換えとは異なる調節を受けている。停止した複製フォークにおける異常なロングトラクトの相同組換えは、BRCA変異細胞におけるゲノム不安定化と、乳がん/卵巣がんの素因に寄与すると考えられる。

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